病気は人間の心身がバランスを崩した状態で起こる異常現象
「ガン・難症(難病というと治りづらい業病だというイメージが強いので、私は使いたくありません)なんか怖くない!人間の自然治癒力で病気は治る!」と、私は常日ごろから言っています。
なぜ私が、さも自信ありげにこう発言するかというと、いままで二十年間「快医学」をまとめ、それをもとに行なってきた治療現場から得た実感であり、事実、病院で治らなかった多くのガン・難症病者(患者という文字は、心を申刺しに突き刺す意味がありますので、なるべく使わないようにしています)を回復に導いた実績があるからです。
そもそも病気は、人間の心身がバランスを崩した状態で起こる異常現象ですから、「快医学」では、まずその根元である心身のバランスを快く調整することで自分の内から病気を治してしまおうということに眼目を置いています。
世の中で起こる事件のほとんどは、何かのバランスが崩れたときに起こるものです。人間のからだの中にある防衛力(免疫系)が、いつも私たちのからだを病魔の侵入から守ってくれているおかげで健康が保たれています。それと同時に、壊された部分を修復しようとする不思議な力が働きます。実はこの不思議な力が自然治癒力なのです。
心身のバランスが崩れると、自然治癒力という不思議な力が発揮されないのです。
太陽を中心に地球や金星、土星が公転し、銀河宇宙の中でバランスよく運動している事実をみても、いかに調和がたいせつかということを、私たちは自然のなかから学ぶことができます。
人間のからだも、百兆個の細胞からなる宇宙だといわれます。だとするならば、その宇宙 (体)で刻々と繰り広げられている星々(細胞)の生成、消滅も大いなるバランスのうえになされているのです。
バランスを保とうとする行ないは、宇宙不変の真理でもあり、それがまた、いちばん自然体であり心地よい状態でもあります。
心地よい、つまり「快」なのです。言葉を換えれば「気持ちよく」、ということになるでしょうか。
想い起こしてみましょう。ぐっすり眠り、心地よく目をあけ、腕を大きく広げて深呼吸をする、あの爽やかな目覚めは、とても「快」なのです。その状態にあるときは、心身のバランスがとれているよい例でもあります。バランスは「快」なり、といえるでしょう。ですから、くどいようですが、世の中の現象は、すべてバランスをとるように働いている、つまり気持ちよい方向に向かって働いているのです。
したがって、私たち人間の心身にとっても、気持ちよいことはバランスがとれているということにほかならないのです。
話をすこし戻しましょう。 私たちのからだは、ある日突然「不快」を示すことがあります。気持ちよくないのです。痛いとか苦しい、だるい、はたまたかゆいまで……。この症状は、からだに事件が発生している証なのです。それは病魔がいま体内で破壊活動をやってますよ、という信号でもあるのです。免疫系の防衛軍と病魔エイリアンとの熾烈な戦いは、熱や痛みという形で情報を伝えてきます。そうなると心身はパニック状態、バランスを大きく崩してしまいます。また逆に、バランスが崩れた状態にあるときは病魔のつけいるチャンスでもあります。
そのようなときは、一刻も早くバランスを立て直さなくてはなりません。また、私たちのからだはバランスを修正し、癒しの方向に向かうようできているのです。つまり、「不快」から「快」 の方向へ向かう不思議な力を天から授かっているのです。
瓜生良介